口腔内によく口内炎ができる
金属の詰め物やブリッジ等に触れる粘膜が赤くなっている
手や足、全身にアレルギー症状があったので皮膚科で治療を行っているが治らない 等で
もしかしたら「金属アレルギーでは?」と考えられている方もいらっしゃるかと思います。

また、歯科治療を行うにあたり、金属製の材質を使用すると言われていますが、金属アレルギーかもしれないと心配されている方もいらっしゃいます。

金属アレルギーを疑った場合、どこで検査すれば良いのでしょうか?
また、どのような検査があるのでしょうか?
また、検査費用はどれくらいかかるのでしょうか?
この項では、こうした内容を解説します。

金属アレルギー検査(パッチテスト)

当院では、金属アレルギー検査(パッチテスト)を行うことができます。
歯科で使用される以下を含めた22種類の金属を調べることができます。
パッチテストは、金属アレルギー検査の中で 最も一般的に行われる方法であり、信頼性の高い検査法と言えます。

検査金属名 検査試薬
アルミニウム 塩化アルミニウム2%
コバルト 塩化コバルト2%
スズ 塩化第二スズ1%
塩化第二鉄2%
プラチナ:白金 塩化白金酸0.5%
パラジウム 塩化パラジウム1%
マンガン 塩化マンガン2%
インジウム 三塩化インジウム1%
イリジウム 四塩化イリジウム1%
臭化銀2%
クロム 重クロム酸カリウム0.5%
クロム 硫酸クロム2%
ニッケル 硫酸ニッケル5%
亜鉛 塩化亜鉛2%
塩化金酸0.2%
硫酸銅1%

*鳥居薬品株式会社 製造 パッチテスト試薬金属使用

パッチテストの手順と詳細

パッチテスト手順

1.パッチテスト開始

パッチテスト開始

次回まで(48時間)は以下を禁止

  • 湯船につかることは禁止
  • 運動禁止(汗は大敵)
  • インキや検査液が付着することがあるので汚れても問題ない肌着を着用する

2.48時間後 1回目の判定

48時間後 1回目の判定

テープを除去後、約1時間 お待ちいただきます。
これは検査試薬を貼った絆創膏の影響を排除するためです。
この日から入浴可能ですが、検査部位は擦らないで下さい。
インキで印を付けるので汚れても問題のない肌着を着用して下さい。

3.72時間後 2回目の判定

72時間後 2回目の判定

4.約一週間後 3回目の判定

約一週間後 3回目の判定

パッチテスト注意点

  • 検査部位にペンで位置決めの印を記入します。汗をかくと取れやすいのでご注意して下さい。
  • 検査期間中の運動は禁止です。夏場の検査は基本的に行えません。
  • 女性の方で 背中にパッチテストを貼った方は、テープを除去するまでブラジャーははずすなどの注意をして検査が正確に行われるようにご協力ください。
  • 検査試薬が服に付着することがありますので、テープを除去するまでは必ず肌着を着用して下さい。
  • パッチテスト実施期間(最初の48時間)は、試薬の貼ったテープが取れたりすることがあるため、運動は避け、重い荷物を持つ等も避けて下さい。
  • 反応が強い場合には、炎症後色素沈着が起こり、跡が長期間残る場合があります。
  • 検査期間中は、ステロイド剤、鎮痛薬(NSAIDs)、抗アレルギー薬は中止して下さい。
  • 判定記録のためパッチテスト部の写真を撮ることがあります。

パッチテスト(金属アレルギー検査)実施サイクル

パッチテスト(金属アレルギー検査)実施サイクル

注意事項

  • 1回目の判定と3回目の判定は必ず来院日を守って下さい。
  • 1回目、3回目の判定が祝日(休診)の場合には実施できません。
  • 2回目の判定時は来院の必要はありません。

パッチテストの有効性は?

パッチテストで陽性と診断された場合には、その金属にアレルギー反応があることが判断できますが、仮に陰性(パッチテストで発赤 等の反応がない)であったとしても絶対にその金属にアレルギーの問題がないとは言い切れないのです。
こうした状態を偽陰性と言います。

パッチテストの副作用

パッチテストにも副作用があります。
軽度な副作用としては、パッチテストで貼る絆創膏にかぶれる場合があります。
また 反応が強くでた場合には、皮膚に潰瘍ができたり、炎症後色素沈着が起こる可能性があります。
潰瘍や色素沈着は、皮膚に跡を残すことがありますので この点は十分ご理解された上でパッチテストを受けていただくことが必要です。
また、パッチテストを行うことで 検査試薬による感作されることもあります。
こうした反応には 個人差があり、事前に予測することは不可能です。

パッチテスト治療費

当院で行うパッチテストは、保険診療となります。

チャレンジテスト

金属アレルギー検査として一般的に行われるパッチテストを行っても偽陰性(本当は金属アレルギーが存在するが パッチテストでは陰性反応と判断される場合)となる場合があります。
こうした場合にご自宅でも可能な試験方法があります。
具体的には、金属アレルギーが起こりやすい食品を多量に摂取することで反応をみる方法です。
アレルギー反応が起こりやすい代表的な金属として、「ニッケル」があります。大豆 や チョコレート は「ニッケル」が多く含まれる食品です。
こうした食品を一時的に多量に食べることで、かゆみ や 発赤 が起こるかを判断する方法です。
一般的に通常の5倍程度の量を4日間服用します。
板チョコであれば、1日に3枚程度を4日間です。

  • チャレンジテストを実施される場合には、必ず医師の指示のもと行うことが必須です。
  • 症状が強く現れる可能性がありますので、十分な注意が必要です。

歯科治療による判断(フレアーアップ)

虫歯治療 等で 金属の被せ物 等を 除去すると削った削片が口腔内に散らばります。
こうした金属片を飲み込んだり、口腔粘膜から吸収されることで、一時的にアレルギー症状が悪化することがあります。
悪化した場合には、金属アレルギーに陽性の可能性が高いと言えます。
実際に歯科治療で金属を除去した際に、アレルギー症状が悪化されたことを経験された方は、金属アレルギーの可能性があります。
アレルギー外来がある皮膚科 等でパッチテストを受けられて下さい。